
海外現地就職について
こんにちは!
皆さんは海外現地就職について聞いたことがありますか?
新卒や既卒で、日本で働くのではなく、海外で働いてみたいから、海外の現地企業に就職しようとする人は私の周りには結構います。
実際一定数、需要があるため、海外現地就職専門のエージェントサイトまで存在します。
昔は一時期ブームがあり、 あったものの、今ではかなり落ち着いてきています。
新卒でも海外現地就職をする方もいますが、私の場合は転職活動中に、現地就職しないかと、知人・転職エージェントからお誘いがきてました。
(結局、今から書く理由で断りましたが。)
海外では、日本の労働環境と違って、ノンビリ・緩く働けると思う方も多いと思います。
そんな海外就職ですが、かなりキラビヤカな世界に聞こえますが、実際は予想していたほど働きやすい世界ではなかったり、貴方のキャリアを壊しかねない悪い点もいくつかあるのです。
なので、 海外で働けることは、日本ではできない経験も積めるので魅力的ですが、 海外現地就職を希望している人は、 しっかりとデメリットも認識しましょう!
メリットに関しては、また他の記事で書きます。

1)給料が低い・現地基準
海外の現地採用となると、基本的には、給与基準や福利厚生は現地人と同じレベルになります。
これが、アメリカやスイスなど給料が高い先進国であれば問題はないでしょう。
しかし、発展途上国(実際はアジア圏が多いですが)ですと、月収手取り、日本円価格で15万円以下というところもあります。
例えば、求人サイトを見てみましょう。
どの国でもいいのですが、インドネシアをピックアップします。

インドネシアルピアを日本円になおします。
現在のレートは以下の通り。

するとこの求人では、”額面”10万~19万円程度となります。
他の求人を見てると、インドネシアですと、大体高くても月収額面25万程度でしょう。
勿論その分求められるスキルが高くなります。
日本だとバイトか新卒以下の給料ですが、現地で一人暮らしが一応できるぐらいの給料ではあります。
また、コスト面から、現地駐在員なら出る、福利厚生や手当も支給されません。
加えて、もう一つ考えないといけないのが、日本に帰国したときの、日本円の為替交換です。
そのまま一生、その国で生活するなら良いかもしれませんが、仮に毎月貯金しても、大した金額にはなりません。
お金だけの観点で見ると、発展途上国で働くと、日本で働くよりも全然稼げないのです。
若い時から海外で働いて、日本に帰国したときに、お金が貯まってないということにもなりかねないので要注意です。

2)出世・キャリア
結論から言います。
現地企業での出世は実質無理に近いです。
現地語がネイティブレベルでもない限り、多くの人は日本人である点を生かして、日本企業の現地会社に就職しようとします。
現地会社で募集しているのは、 頭を使う企画系や マネージメント系ではなく、下っ端の、事務作業やオフィス業務、通訳が一般的です。
つまりサポート的な仕事が殆どです。
何故なら、マネージメント系は、本国の本社の日本人の総合職が海外駐在という形でやってきて、貴方の上司になることがあります。
彼らは2~5年貴方の上で働いて、日本に帰っていきます。
彼らが帰ると、貴方の出世のチャンスではなく、新しい駐在員がやってきます。

極稀に、現地採用でも出世して、日本に栄転した方を知っていますが、かなりの例外です。
では、仮に日系企業ではなく、現地人の企業の場合ではどうでしょうか?
現地人がやる企業で働く場合ですと、現地の国籍を保有していたり・現地語がネイティブレベルでもない限り、出世は難しいです。
就労ビザが切れてしまう可能性や、現地の法改正により、帰国しないといけない場合や、外国人には余計に税金がかかる国もあります。
国によって様々ですが、そのようなリスクのある、外国人である貴方を管理職にする理由はかなり薄いでしょう。
新卒で働いて、海外で働けて、充実感はあったものの、業務内容から国内の転職では評価されないということにならないように注意が必要です!

3)日本での働き方と変わらない可能性も
日本での人間関係や働き方が嫌になって海外に来る人もいるでしょう。
これはただの可能性ですが、 仮に日本人の古い感じのおじさんが上司の場合、日本で働いてる時と変わらないマネージメントを受ける可能性があります。
私が前職で海外出張に行ったときに、海外の子会社を訪れました。
本社から来たということもあり、私たちには凄く丁寧に接してくれた現地駐在員のおじさんがいました。
しかし、業務中は、日本人・現地人の部下問わずに、パワハラをしてたのが印象的でした。嘘のような本当の話です。
「お前、仕事できないんだから首にするぞ」とか普通に言っていて、びっくりしました。(笑)
おそらく日本ではコンプライアンスが厳しくて、このようなことはできませんが、海外では本社の目が届かないので、好き放題やってる感じはありました。
海外駐在員の全員に全員がこういう人ではありませんが、可能性もあることにご注意を。

4)保険・年金は自分でカバーしないといけない
日本国内の採用の場合は特に意識しませんが、日本では、社会保険や企業年金に自動で入会する場合が殆どです。
しかし、現地採用の場合、現地社員という扱いになりますので、企業側は、厚生年金や健康保険を肩代わりして、貴方の代わりに払ってくれません。
現地採用の場合、国民年金も任意の扱いになります。
また、日本での住民登録の有無で、住民税の支払いがややこしくなります。
今後のために積み立ても任意となります。
先ほども述べましたが、仮に日本に戻ってくる場合は、貯金しても為替のリスクも考慮しないといけません。
基本的にお金周りの部分は、自分でしっかりと調べてて準備しないと大変なことになります。

5)まとめ
今回は現地採用のデメリットという記事でしたので、悪い部分だけに焦点を当てました。
しかし、現地採用でしか経験できないことや、若いころから海外で働けることは、貴重な経験になります。
また、現地採用を目指している方は、お金だけが全てではなく、他の部分に価値観を置いていることも知っています。
キャリアの歩み方も、別に同世代と比べて、出世が遅くなっても、遠回りするのもありですし、キャリアだけに重きを置く人生も退屈だと思います。
私自身も海外の経験が長いため、 そこまでキャリア・お金を重視していませんし、海外の現地採用に挑戦した友人から何人も話を聞いています。
他の人と同じようなものではなく、人それぞれの人生があるべきです。
ただ、現地採用を目指している方は、現地に行ってからデメリットを知ると悲惨なことになりますので、しっかりと下調べをしてから目指しましょう!!