
1)孔子学院
こんにちは!
今回はホットなニュースを取り扱いたいと思います。
皆さんは孔子学院という言葉聞いたことがありますか?
30代くらいの方で聞いたことのある人は少なめで、今の学生なら聞いたことのある人は多いと思います。
孔子学院とは中国が海外の教育機関と提携し、中国語や中国文化の教育及び宣伝をする教育機関のことです。
10年前から爆発的に世界で広がりました。
このような感じで、大学のキャンパス内にあります。

私がカナダに留学に行ったときに実際に見ることができ、キャンパス内に設置されていました。(笑)
米国・カナダの大学を中心に、日本にも早稲田大学や、立命館大学に設置がされています。
日本では15校程に設置されています。
(wikipedia 参照)

余り有名ではない私立大学が多いですね。
というのは、孔子学院は、設置してくれた大学に対して、中国政府から、設置費用や年間費用として、補助金が大学に支給されます。
経営が苦しくなっている大学にとっては、費用を負担せずに、大学の中国語の科目を増やせるので魅力といったところでしょう。
では、何故良いとこばかりの、孔子学院が海外を中心に排除の動きが強まっているのでしょうか?

2) 米国で加速する排除の理由
米国で最も多い時で、120校、2019年6月時点で105校存在していました。
では何故、急速に孔子学院の排除が進んでいるのでしょうか?
大きく4つほど理由があります。
1)情報機関・産業スパイの紛れ込み
→ 大学は科学技術の集まる場所である。中国からやってくる、文化講師・語学講師に諜報機関や産業スパイが紛れているリスクは非常に高い。(FBIは断定。)
2)中国共産党の思想の埋め込み・プロパガンダ
→ 本来大学は、自由な思想の場所だが、孔子学院では語学以外にも、共産党思想を無意識のうちに学生に埋め込もうとしている。中国政府の立場の良いことしか教えない。(例、一国二制度問題、ウイグル・チベット問題、等)同様のことは、共産体制の東ドイツやイタリアのムッソリーニーの時代にも行われていた。
3)台湾への競争優位化
→ 例えば、中国で使われている簡体字が孔子学院では教えられている。これは、台湾で使われている、本来の伝統的な繁体字への対抗であると台湾は主張。
4)大学の自治への干渉
→とあるカナダの大学では、中国政府の都合の悪い、中国系カナダ人講師を孔子学院が攻撃し、追い出そうとしていた。
以上の4つが大きな理由です。
このように、米国の大学群の例としては、ミシガン大学、ノースカロライナ州立大学、イリノイ大学、テキサスA&M大学などで閉鎖が決まっています。

3)今後の展開とまとめ
学問の自由、○○の自由は、米国が一番好むものです。
仮に、米中貿易摩擦が落ち着きを見せても、学問・技術面では摩擦が止まるとは限りません。
いくら孔子学院が甘い蜜を垂れ流そうとも、学問の自由を侵害されたと感じる、孔子学院設置の米国大学群は、排除の動きを弱めないでしょう。
この問題に気付いている北米を中心に、排除は続き、設置校の数は減ると予想されます。
一方で、中国政府は代わりに、設置重点国として、アジア圏・アフリカ圏での設置を強化するでしょう。
肝心の日本ですが、そもそも設置大学数が多くないこと、有名国公立ではなく、無名私立大学を中心に設置されているのが救いでしょう。